NEEWER 4ウェイマクロフォーカスレールスライダー

等倍付近のマクロ撮影は、いくら手振れ補正がついているカメラでも手持ちではほぼ不可能。紙のように薄い被写界深度により、AFもほとんど役に立たないので、MFで使うのが基本。しっかりしたブレの少ない三脚は必携で、超望遠レンズで撮影するのと同様と考えたほうが良い。　この時、わずかな移動で大きく構図が変わってしまうため、三脚ごとカメラを移動させるのはとても厄介で、前後左右に可動するフォーカシングレールは必需品だ。　NEEWERは2011年11月、中国深圳市に設立された新興カメラ機材メーカーだが、その品質は確かなもので、国産メーカー品と比べてもなんら見劣りしないどころか、より優れているものも多く、圧倒的なコストパフォーマンスの高さが魅力だ。このメーカーのスローガン「Pro Quality Amateur Prices」は嘘ではないようだ。　このモデルも、ノブに至るまで全てアルミダイキャスト製で、造りはとてもしっかりしている。　ベースプレートは3/8インチのドイツDIN規格ねじ穴だが、ねじ込み式のISO規格1/4インチねじ穴アダプターが付属し、三脚メーカーを選ばない。　耐荷重は最大2.5kgと、ややこころもとない。3kg以上は実現してほしかった。（D6やMB-D18付きD850+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+クローズアップスピードライトコマンダーキット R1C1では約2.6～2.7㎏と若干オーバーしてしまう。）　このモデルは、カメラ側プレートも本体ベース部分もアルカスイス規格に準拠しているので、同規格のプレートや三脚を使用しているならば、複数のカメラボディを交換したり、フォーカシングレールの着脱が非常に素早く行えてシャッターチャンスを逃しにくい。　ただ、旧モデルの「Neewer Pro 4方向 マクロフォーカス用レールスライダー」との基本性能の違いは、アルカスイス規格に準拠しているか否かくらいしかないので、２倍以上の価格差があるのは疑問だ。　たまにしかマクロ撮影しない人ならば、旧モデルの方がコスパがより高い。逆に、旧モデルに、わざわざアルカスイス規格のクイックシューアダプターを、カメラ側と三脚側に上下２個付けるくらいならば、こちらを買った方がお買い得といえる。　国内メーカー製品は、アルカスイス規格互換でもないものが１万円を超えていることから、NEEWER製のものはお勧めできる。　耐久性は悪くなさそうだが、使い込んでみなければわからないので無評価とした。しばらく使ってみてからあらためて評価したい。　追記　）フォーカシングレール使用時は、レンズ鏡筒が一番伸びた状態で被写体に近づけ、レールも一番前方に繰り出した状態から、スライダーを後ろに引きながら調節するのが鉄則。さもなくば、レンズが被写体と接触して破損してしまうことがある。　真上からの撮影等では、前後スライドのロックを忘れて、万が一カメラとレンズの自重でスライダーが落下方向に移動しても、被写体に接触ないよう細心の注意を払わねばならない。特に光線量確保のためフードを外している時は、フードがレンズを守ってくれないので要注意。　中古マクロレンズ販売で時々、前玉交換や1-2群交換済み等と書かれているものは、これをやらかしてしまったものが多い。　また、ここに掲載されている製品画像が誤解を生みやすいが、メーカーロゴが記載されている方を後ろ向き（カメラの背面側）に向けて装着するのが正解。逆にすると非常にバランスが悪く、カメラの自重で雲台がお辞儀をしてしまうこともある上に、ブレも出やすくなってしまう。